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科学基礎論研究
著作権譲渡制度の廃止とクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの導入について[2022年9月21日]
このたび科学基礎論学会では、和文誌『科学基礎論研究』および欧文誌 Annals of the Japan Association for Philosophy of Scienceに関する従来の著作権譲渡制度を廃止し、オープンアクセス(以下OA)学術出版の世界的なスタンダードとなっているクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下CCライセンス)の導入に踏み切ることになりました。
これまで本学会では、2006年に制定された著作権規程(https://phsc.jp/copyright_ja.html#copyright)に則り、本学会誌に掲載される著作物の著作権を著作者から学会に譲渡していただいておりましたが、このたび従来の制度を見直し、今後当学会誌に掲載される著作物の著作権は著作者に帰属するものとさせていただきます。その上で、著作者の方々にはあらためて、学術研究成果のより柔軟かつ広範な利活用を可能にするCCライセンスを著作物に付与していただくことに、ご承諾いただきますようお願い申し上げます。
ただし、従来の著作権譲渡制度からの全面的な転換となりますので、会員の皆さまのご質問やご懸念にお答えし、この制度についてより深くご理解いただくための周知期間を2022年度末まで設けることとし、2023年度より新制度に移行させていただきます。
なお、CCライセンスとはそもそもどのようなライセンスなのかという点については、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのウェブサイト(https://creativecommons.jp/licenses/)ならびに、インターネット上で入手可能な解説記事等をご参照ください。
今回の制度変更に関するご意見やご質問は、学会事務局(kisoron@sasappa.co.jp)までお願いいたします。
【具体的な移行手順】
- 2022年度末までを会員の皆さまのご意見やご質問に対応させていただくための周知期間とさせていただきます(ただしその後も随時ご意見やご質問には対応させていただきます)。
- 会誌に掲載される著作物に関しては、2023年度以降に刊行される会誌(2023年9月刊行予定の和文誌と欧文誌以降の会誌)掲載分から新制度が適用されます。2023年3月刊行予定の和文誌掲載分までは旧制度が適用されるものとし、従来通り著作権を学会に譲渡していただきます。
- 新制度の下で掲載が決定される著作物に関しては、その著作権は著作者に帰属します。その上で、著作権の一部を制限することになるライセンスを著作物に付与する法的な権限はあくまで著作権保持者のみに認められるという点に鑑み、本学会誌への著作物の掲載決定後の入稿手続きの段階で、著作者の方々には、著作者に代わって学会がそれら著作物にCCライセンスを表示することをお認めいただく、承諾書を提出していただくことになります。
- 当学会誌に掲載される著作物に付与していただくCCライセンスの種別は、当面「表示-非営利-改変禁止 4.0 国際 (CC BY-NC-ND 4.0)」を採用します。ただし、将来的にはOA誌の世界的な標準ともなっている「表示4.0 国際 (CC BY 4.0)」に移行する可能性も残しておきます(ただし、著作物にいったん付与されたCCライセンスの種別は、その後変更できません)。なおこのCCライセンスは、J-STAGE上に公開される電子ジャーナルおよび紙媒体で刊行される会誌の双方に掲載される著作物に付与されます。
- 当学会にすでに著作権が譲渡されている過去の著作物は今回の制度変更の対象となりません。それら著作物の著作権は、このページの下方に記載されている「著作権譲渡に関するお願い[2019年11月20日]」および「著作権規程」に従い、引き続き学会が保持するものとし、CCライセンスは付与されません。
【FAQ 想定されるご質問とご回答】
- Q) 今回の制度変更によって、著者にとっては何が変わるのですか?
- A) 会誌に掲載される著作物の著作権は、今後学会でなく個々の著作者に帰属することになります。したがって、例えば第三者による不正頒布などの問題が生じた場合、学会ではなく著作者自身がその法的対応にあたらねばならないことになります。ただし著作権は、その所有者が誰であろうとも法的に保証された権利であり、特に今回導入されるCCライセンスの種別は「表示-非営利-改変禁止 4.0 国際 (CC BY-NC-ND 4.0)」というCCライセンスの中でも最も制限の厳しいものですので、著作権が学会から著作者に移管されることによって直ちにそうしたトラブルのリスクが増大するというわけではありません。ちなみに、学会が著作権を維持・管理してきた2006年以降、そうした法的問題が発生し学会が主導的に対応に当たらなければならないようなケースは皆無でした。
- Q) 著作者自身による著作物の利用(自身のウェブサイトへの掲載、商業出版社から刊行される論文集などへの転載や翻訳など)はどういう扱いになるのですか?
- A) これらの著作者の権利については、従来の著作権譲渡制度の下でも一定の条件の下ですでに保証されていますが(著作権規程 第5条 https://phsc.jp/copyright_ja.html#copyright-no5)、新制度の下では著作権そのものが著作者に帰属することになりますので、それらは無条件に保証されます。
- Q) 当学会誌に掲載された他の人の著作物の利用(研究・教育目的での引用等)については今後どうなりますか?
- A) 著作権法の下で定められている著作物の学術的・教育的目的での利用に関する著作権の制限(自由利用の保証)は、CCライセンスを採用してもそのまま認められます。したがって、あらたに採用される「表示-非営利-改変禁止 4.0 国際 (CC BY-NC-ND 4.0)」ライセンスの下でも、学術・教育活動のためであれば、著作権法に定められた一定の条件の下で、これまで通り引用など(引用のための一部翻訳も含む)は認められます。学術的・教育的目的を超えた利用に関しては、「表示」「非営利」「改変禁止」の条件を満たしていれば自由に行うことができますが、翻訳は改変行為にあたりますので注意が必要です。また、CCライセンスが付与された著作物中に他の著作権者の著作権によって保護された部分が含まれている場合は、その部分に関して学術的・教育的目的を超えた利用をするにあたっては、著作権保持者から直接利用許諾を得る必要が生じます。
著作権譲渡に関するお願い[2019年11月20日]
2006年(平成18年)に制定された本学会の著作権規程(本頁の下部)では、本学会発行の出版物(和文誌『科学基礎論研究』ならびに欧文誌Annals of the Japan Association for Philosophy of Science)に掲載された著作物に関する著作権は、原則として、著作者から本学会への譲渡により、本学会に帰属するものと定められています。そして著作権の譲渡には、著作者から本学会への承諾書の提出が必要であると定められています。しかし、本学会で導入を決定したこの手続きは、現在までいまだ履行されておりませんでした。この点あらためてお詫び申し上げます。
この場合、本来なら2006年度以降現在に至るすべての著作物の著作者から著作権譲渡の承諾書をご提出していただく必要が生じますが、現実問題としては、そのために要する事務量は膨大なものとならざるをえません。そこで理事会としましては、2006年度から2019年11月現在までに本学会発行の出版物に掲載された各著作物については、著作権譲渡の承諾書がなくても著作権が本学会に帰属するものとさせていただきたく、会員各位のご理解をお願い申し上げる次第です。ただし著作権規程に明記されておりますように、たとえ著作権が本学会に帰属しても、著作者自身による著作物の利用を妨げるものではありません。なお2020年以降の掲載分に関しては、著作権規程に沿った著作権譲渡手続きをさせていただきます。
つきましては、2006年度から2019年11月現在までに刊行された出版物に掲載された著作物の著作者、または相続権を持つ遺族の方で、この処置に異議がある方がもしおられましたら、その旨を2022年12月末日までに科学基礎論学会事務局宛にご連絡下さい。ご連絡のなかった著作物につきましては、ご承認いただけたものとみなさせていただきます。ただし、この通知がすべての著作権者、または相続権を持つ遺族の方の目に触れるとは限らないと思われますので、本通知を知る機会がなかった等の理由で期限後にこの処置に不服をいだかれた方も、同様にご連絡下さい。その際は、当事者の方と本学会とで、個別に対応を検討させていただきます。
他方で、2005年度以前の創刊号にまで遡る出版物に掲載された著作物の著作権譲渡に関する不服申し立て期間は、2009年4月末日を以てすでに終了しています。ただし、これに関しましても、事後的にこうした処置をお知りになり不服をいだかれる方が今後現れる可能性もありますので、そうした方々からのご連絡も引き続きお受けいたします。
著作権に関する承諾書 (WORDファイル)
著作権規程
平成18年6月18日制定
(この規程の目的)
第1条 この規程は、本学会発行の出版物に掲載された論文等(論文、解説記事等)に関する著作者の著作権の取り扱いに関して取り決めるものである。
(著作権の帰属)
第2条 本学会発行の出版物に掲載された論文等に関する著作権*は原則として、著作者から本学会への譲渡**により、本学会に帰属する。特別な事情により本学会に帰属することが困難な場合には、申し出により著作者と本学会の協議の上、措置する。
(不行使特約)
第3条 著作者は、以下各号に該当する場合、本学会と本学会が許諾する者に対して、著作者人格権を行使しないものとする。
(1)電子的配布における技術的問題に伴う改変
(2)アブストラクトのみ抽出して利用
(第三者への利用許諾)
第4条 第三者から著作権の利用許諾要請があった場合、本学会は本学会理事会において審議し、適当と認めたものについて要請に応ずることができる。
2.前項の措置によって第三者から本学会に対価の支払いがあった場合には、その対価は原則として著作者自身に帰属する。
(著作者の権利)
第5条 本学会が著作権を有する論文等の著作物を著作者自身が利用することに対し、本学会はこれに異議申し立て、もしくは妨げることをしない。
2.著作者が著作物を利用しようとする場合、著作者は本学会に事前に申し出を行った上、利用された複製物あるいは著作物中に本学会の出版物にかかる出典を明記することとする。ただし、元の論文等を2.5%以上変更した場合には、この限りではない。また、3項にかかわる利用に関しては事前に申し出ることなく利用できる。
3.著作者は、掲載された論文等について、いつでも著作者個人のWebサイト(著作者所属組織のサイト等を含む。以下同じ。)において自ら創作した著作物を掲載することができる。ただし、掲載に際して本学会の出版物にかかる出典を明記しなければならない。
(著作権侵害および紛争処理)
第6条 本学会が著作権を有する論文等に対して第三者による著作権侵害(あるいは侵害の疑い)があった場合、本学会と著作者が対応について協議し、解決を図るものとする。
2.本学会発行の出版物に掲載された論文等が第三者の著作権その他の権利及び利益の侵害問題を生じさせた場合、当該論文等の著作者が一切の責任を負う。
(発効期日)
第7条 この規程は平成18年6月18日に遡って有効とする。なお、平成18年6月18日より前に掲載された論文等の著作権についても、著作者から別段の申し出があり、本学会が当該申し出について正当な事由があると認めた場合を除き、この規程に従い取り扱うものとする。
* 日本国著作権法第2.1条から第2.8条に規定する権利のうち、以下の権利のみを指す:
(複製権)
第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
(公衆送信権等)
第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2.著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
(翻訳権、翻案権等)
第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
** 著作者から本学会へ著作権に関する承諾書が提出されることにより、著作権の譲渡が行われる。