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イベント情報

心の哲学オンライン [2021年08月31日]

開催日:2021年9月13日

会場:オンライン

このたび下記の通り研究会を開催いたしますので、奮ってご参加ください。

*プログラム:
13:00-13:10 開場
13:10-14:30 セッション1
・講演:井保和也(京都大学)「理由反応性説とフランクファート型事例」
・特定質問:島村修平(日本大学)
14:40-16:00 セッション2
・講演:高崎将平(東京大学)「自由の価値の多面性――新しい自由論アプローチの素描」
・特定質問:佐々木拓(金沢大学)

*要旨:
井保和也「理由反応性説とフランクファート型事例」
 かつては、道徳的責任に必要な自由意志は、「その行為者はその行為とは別の行為をすることもできた」という意味での自由、すなわち、余地自由に他ならないと考えられていた。しかし、フランクファート型事例、つまり、余地自由を持たない行為者が自身の行為の道徳的責任を負うように思われる事例が提示されて以来、道徳的責任に必要な自由として、「その行為者はその行為の源泉だった」という意味での自由、すなわち、源泉自由が注目されるようになった。この流れを受けて、フィッシャーは、ある行為者がある行為の源泉であるということは、その行為がその行為者の理由に反応する能力によってなされるということに他ならないと主張する理由反応性説を展開し、源泉自由を擁護した。しかし、現在では、フィッシャーの理由反応性説は、深刻な問題に直面していることが知られている。それは、他でもないフランクファート型事例が、理由反応性説の反例になってしまうという問題である。本発表では、この問題に関する論争を整理し、その解決策を模索する。

高崎将平「自由の価値の多面性――新しい自由論アプローチの素描」
 はたして私たちは自由であるのか。これは古来より哲学で不断に論じられてきた無窮の問いである。しかし、なぜ私たちは自由であるか否かを気にかけるのだろうか。なぜ哲学者は、自由の存在/非存在についてかくも激しい論争を繰り広げてきたのだろうか。この問いに対する一つの、最もオーソドックスな答えはこうだ――自由は私たちが道徳的責任を負うために必要である。私たちは行為を自由に、自分の意志で行うからこそ、自身の行為に道徳的責任を負い、その行為や行為の帰結が他者による非難や称賛といった道徳的態度の対象となる。このように、自由という概念の比類ない重要性と意義を、「道徳的責任」という概念との連関において理解するのが、現代の自由論における共通了解であると言ってよいだろう。
 しかし、「自由」概念の重要性や意義は、道徳的責任を基礎づけるという役割に尽くされているのだろうか。自由をもっぱら道徳的責任との関わりから考察することで、自由という概念の持つ別の豊饒な意義の可能性が軽視、ないし看過されてはいないだろうか。これが、本発表が設定する問いである。本発表で私は、従来の論争で自明視されてきた道徳的責任との関わりをいったん括弧に付して、より多面的な自由の価値を探求することで、自由という哲学的主題に対する新しいアプローチの可能性を素描することを目指す。

*世話人:
太田紘史(新潟大学)、鈴木貴之(東京大学)

*問い合わせ:
ota at human.niigata-u.ac.jp

*参加申し込み:
参加ご希望の方は、以下で参加登録を行ってください。締め切り:2021年9月11日(土曜)。
https://forms.gle/Y52yYFteVN5m2Qx3A

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最終更新日 - (c)2006 科学基礎論学会
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